《妖斗、暁斗のことで話しがある。受付で待ってるから、すぐに病院に来てくれるか?》
その言葉を空にぃから電話で聞いたのは、光にぃが意識を取り戻してから一週間後の朝のことだった。
兄さんに一体何があったんだ?
早まる心臓の鼓動と、また奪われるんじゃないかっていう不安が俺を焦らせた。
俺は、すぐに翼にぃと走って病院へ行った。
受付の前の廊下にいた空にぃは、壁の窓を開けて煙草を吸っていた。
「妖斗!……と、翼咲もか。
……ついて来い」
煙草を受付の横に置かれたゴミ箱に捨てて、
空にぃは早足で歩き始めた。
俺は、それに歩いてついていった。
案内されたのは、9階にあったリハビリ室だった。
ガラス張りの部屋の先に、たくさんの患者がいる。
高齢者の人から、俺と同い年くらいの人。あるいは小さな子供まで、とにかく幅広い年齢層のたくさんの人がいた。
「あっ!!」
俺は、思わず声を漏らした。