「光輝……とりあえず、見ろよ」



唐突に、空我先生は白衣を脱ぎ捨てた。




「なっ!?」


俺は、思わず目を見開いた。


灰色の半袖シャツの先に見えた白い腕が青黒い痣でおおわれている。


空我先生が続けてシャツのボタンを第3ボタンまで外すと、肌の部分がほとんど見えないほど痣でおおわれた首と、肩が顕わになった。





「……まぁ、簡単にいえば俺はお前と同類なんだよ。





……いや、暴力に関しちゃ多分俺の方が酷い扱い受けてたけどな。俺は6歳の時から高一まで、凡そ10年間虐待され続けた。母親には出来損ないどころか道具って言われたからな」






道具……。



俺は、思わず何も言えなくなった。




「自殺未遂は二度したよ。一度はこの病院の屋上から飛び降りようとして、二度目は喧嘩で殺されようとした」










内容を理解するのが恐ろしかった。








この人は、俺とかなり境遇が似ている……。





でも、明らかに俺より酷い。





この人は、俺みたいに逃げることが出来なかったんだ。