「……聖里奈、俺は……っ」 聖里奈は、俺の背中を撫でた。 そして、肩に出来ていたアザにそっとキスを落とした。 溶かされていく。 浄化されるみたいに、自分の青黒いアザの色が聖里奈の唾液で滲んで、薄い紫色に変わっていく。 少し痛かったけど、それ以上に心地よかった。 この傷跡は一生消えない。 それでも、 無かったことにして……聖里奈と前に進めるのだろうか。