自分で言ってて、虚しくなってきた。
ズキズキと、親父に暴力振るわれた時みたいに心が痛む。
……素直になんか、なれる訳ない。
俺は、素直になんかなっちゃいけないんだよ……っ。
「権利があるとかないとか、そんなこと誰が決めるのよ!
光輝は妖斗の居場所は作ろうとした癖に、自分の居場所は作る気もないの!?」
思いっきり叫び返されて、気がつけば俺は聖里奈の胸ぐらから手を放していた。
「居場所……」
「そうよ。ねぇ……光輝にとって、白龍って一体何なのよ。あの家ってなんなのよ。ただ、生きるためだけの場所なの?大事な人がいるだけの場所?」
熱っぽい視線を向けてくる聖里奈から、目を逸らすことが出来なかった。
「お、お……れは……っ」
なんて言えばいいのか、全然わからなかった。
白龍をどう思ってるかなんて、自分が1番わからない。
暴力を振るわれたあの日から、俺は自分のことは全部後回しにしてきたんだよ。
……どうせ、誰にも大事に扱われないと思っていたから。



