「光輝……ねぇ、こっち向いて」




聖里奈が、俺のアザで真っ黒くなってる左腕をそっと握りしめた。





俺は、叫んだ勢いで逸らした顔を恐る恐る聖里奈の方へ向けた。



「……気安く触んなよ、そんな薄汚れた手」




なんで、何でそこまでしてそばにいようとすんだよ……っ。


「気安く触ってなんか無い!





……光輝は、綺麗よ」





「……なんで。俺は、保育園の時からあのクソ親父に暴力振るわれて、床に顔押し付けられて、さんざん気絶するまで穢されて……っ」



一筋の涙が、俺の頬を伝った。





もう片方の手で、聖里奈は俺の涙を拭った。



「……光輝は、こんなにも綺麗な涙が出るじゃない。そんな人の何処が穢れてるって言うのよ」




「……黙れよ。人なんて所詮外見なんだよ。




俺には、あんたの隣にいる権利なんかこれっぽっちもないんだよっ!!!」



聖里奈の胸ぐらをつかんで、俺は叫んだ。