弟を命かけて守って



死ぬ気だったのに、




植物状態と化して生きて





目が覚めたらこんな状態か…………。






情ねぇ……。





直後、妖斗はベットに飛び乗り、俺を抱きしめてきた。





「何が出来るかとか、関係ないから。



…………俺は兄さんが好き」




ああ、そうだった。




こいつはそういう奴だ。





事故が起きる前まではいつもずっとずっと一緒にいて、同級生にはお前と妖斗って仲よすぎだってよくからかわれた。






それぐらい俺達は仲が良くて、相思相愛してたんだ。








「………妖斗、お前が憧れた……暁斗は……もう……どこ……にも……いないけどよ、






……それで……いいのかよ?」








今の俺は、兄さんって、暁にぃって呼ばれて、



返事することすらろくにできない。





事故が起きる前までの時とは訳が違うんだ。







「ううん。暁にぃは、ちゃんと今ここにいるよ。



俺は、今も憧れてるよ。姿が変わっても、暁にぃは暁にぃでしょ?」





妖斗は当たり前のようにそう言い放った。





「………馬鹿妖斗」





俺は泣いてるのを悟られないよう、わざと悪態をついた。