集中治療室の前の廊下の端にあった横に長い椅子にみんなで座って、空にぃが出てくるのを待った。



バンッ!

病室の扉が開いて、空にぃが出てきた。




「先生!……こ、光輝は?」

「あいつは無事なのかよ!!」



聖里奈と翼にぃが、同時に叫んだ。



「……あぁ、意識は取り戻した。まだ完全回復はしてないが、もうほとんど問題ないよ」



空にぃがそう言った直後、俺は思わず安心して腰を抜かしそうになった。



光にぃの病室のドアを、聖里奈がそっと開ける。



ベットの上には、自分の横に建った窓の方を向いて、空を見上げる光にぃがいた。




「こっ、光輝っ!!!」


突如、聖里奈が走って光にぃの元へ駆け寄り、寝たきりだったからか少しばかり痩せたその身体を、ぎゅっと抱きしめた。




「……無事で、よかった」




聖里奈は、嬉しそうに笑った。