翼にぃが俺の腕を引っ張って、




4人で全速力で体育館から逃げ、




そのまま光にぃのいる病院へ直行した。



「八尾さん、大丈夫ですか」



光にぃの病室ねは、医者が慌ただしく動いていた。



「八尾さん、聞こえますかー」


八尾って、光にぃの苗字じゃ……?



「光輝っ!!」


翼にぃが光にぃに近づく。


「離れてください!……聖里奈さんも」


医者が、光にぃの近くにいた聖里奈に向かって言う。


「せっ、聖里奈!!」



真凛が聖里奈を呼んだ。




「おい聖里奈、光輝に何があったんだよ!」


聖里奈は、慌てて俺たちの方へ来た。


「……重度の発作みたい。命に別状はないから、とりあえず今は薬物療法で様子を見るんだって」


発作……。


「なんで急にこんなことになんだよ!」
「なんで急に発作なんか」


翼にぃと俺がいったのはほぼ同時だった。


「多分意識を取り戻した途端に、親のことを思い出して怖くなっちゃったんじゃないかな」


 ……そういうことか。