一週間後、終業式の日、担任の先生から成績表を各自貰ってから、俺は翼にぃや朔について行って、学校の体育館に並んだ。



「えーこれから夏休みだが、夏休みだからといって問題を起こさずに、節度を持って楽しく満喫しろ。以上、解散!」





翔太さんの挨拶が早すぎてびっくりした。


理事長なのに挨拶がすごい雑。


早いに越したことはないけどね。



「妖斗ー帰るぞ」




体育館に出席番号順で並んでいたから、前の方にいた翼にぃが、中央あたりにいる俺とその後ろにいる朔の方へ歩いてきた。




「うん、帰ろー!」



隣のクラスの真凛が、横からぎゅっと俺に抱きついてきた。



「……真凛、流石に体育館はやめて。みんな見てるから」




紅くなった頬を無視して、俺は言った。



「えーいいじゃん!妖斗ほっぺた紅いよ?」

真凛はそう言って、俺の頬を人差し指でつんつんした。

抱きしめられて紅くならない方がおかしいんだよ!


声には出さずに、俺は突っ込んだ。


「次楽ーお前イチャイチャしやがって」

「リア充爆発しろー」




クラスメイトやあるいは他クラスの人までみんな俺と真凛を見て、口々に茶化す。




「ヤッベ、妖斗さっさと逃げるぞ!!」