ねえ光にぃ……起きてよ。



いつもみたいに笑って、俺や翼にぃや朔の頭を撫でてくれればいいのに。




そんな願いは、もう叶わないの……?



ママやパパだけじゃなくて、光にぃまで俺のそばから消えちゃうの?


ほんの二三ヶ月前に、やっと兄さんが目覚めたっていうのに。




ドンッ!!

「なんでこんなことになんだよ、くそっ」



突如、翼にぃが苦虫を噛み潰したような顔をして、病室の壁を拳で叩いた。

その隣にいた朔は何も言わず、翼にぃをなだめるように、頭をそっと撫でた。



「……落ち着け翼咲。光輝が意識を失ったのは何もお前らのせいじゃない。あの父親のせいだ。あの父親は、今でも光輝を縛り付けている」






空にぃはベットの横にあった窓に視線を移し、快晴の青空を見上げていった。