太ももの骨折が片足だけ治った日、父さんは、俺を無理矢理学校に行かせた。




放課後、学校の門の前に、母さんがいた。




「良かった!光輝!ずっとずっと会いたかった。全然学校に来なかったから、すごく心配したわ。無事でよかった!」





母さんは俺をぎゅっと抱きしめた。





「……光輝、これ家の生活費よ。このお金を使って父さんから逃げるのも、父さんにこのお金を渡してそのまま2人で暮らすのもあなた次第よ。



好きにしていいわ。……またいつか、ね」





母さんは、10万円ほどのお金を受け取った俺の頬にキスを落として、去っていった。





俺は当然、前者を選んで父さんから逃げた。