「ただいまー!!」 「お帰り、光輝!」 学校から帰って来た俺を、専業主婦だった母さんはぎゅっと抱きしめた。 俺は、母さんが大好きだった。 独りっ子だったから、母さんは俺にたくさんのものを与えてくれた。 愛も、欲しいものも、何もかも。 母さんは、俺の全てだったんだ。 「光輝は本当に母さんが好きだなぁ」 父さんは仕事が終わって帰ってくるなり、母さんの隣にひっついていた俺を見て、そう笑った。