「翼咲、3年後な!!」


「おう!」



道場の出入口に戻ったところで、緑色の髪をした男は、そう言って嬉しそうに笑った。



翼咲は、迷いもなく頷く。





「翼にぃだー!!」




道場を出たところで、外で待っていた妖斗が翼咲に躊躇いもなく抱きついた。





「おう、……ごめんな妖斗。




光輝も、殴ってごめん。






……お前らにも、心配かけたな。母さんにも」








聖理奈と真凛と朔に目を通した後、


翼咲は後ろにいた母親に声をかけた。





「……全部翔真から聞いた。正直、母さんのこと許す気にはなれないけど……俺、母さんのことやっぱ好きだ。



母さんに捨てられなかったら、こいつらには出会えなかったと思うから……。





ありがとう、母さん」





翼咲……。





「ううん。ごめんね、本当に。翼咲、生きててくれて、私の子供でいてくれて、ありがとう。……私はあなたを、一生涯愛してる」





母親は背伸びをして、そっと翼咲の額にキスを落とした。







「……バーカ」





悪態をついて、翼咲は嬉しそうに頬を赤らめて笑った。