「今日行くってメールしといたんだけど。なに? 天科サンでも来てたのか?」
「あー、まあな。悪かったな。で? どうした。いい加減Pクラス受け持つ気になったか? さっさと来い。お前の席はある」
「それは蒼(あおい)の仕事だろ。じゃなくて、恋(れん)さんと剣(つるぎ)さんに逢わせたいやつがいて。蒼に許可取っておいた方がいいかなって」
「………」
流夜くんの影に隠れるようになっていた私はこそっと半歩だけ隣に出て頭を下げた。
突然怒られた警戒心は解けない。
誰かと間違えていたようだけど、随分気性の荒い人なのだろうか。
若干目つきが悪――鋭いのに更に怯えてしまいそうになるが、流夜くんは朗らかに話している。
容姿は警戒するものには値しない。
相手も、私のことを驚いたように見ていた。
そして半眼で口を開く。
「なに? お前、生徒に手ぇ出したのか?」



