ひとしきり泣くと、咲桜ははっと顔をあげた。


「わー! ごめんなさいー!」


「ん。落ち着いたか?」


「すみませんー! なんか私とっちらかったことばっかやって言って!」


「気にするな。抱え込まれるよりはいい」


「……あ、ありがとうごいざいます……?」


「うん」


「てわー! ごめんなさい! 服! 肩! 洗濯してきます!」


「え? ああ」

 
咲桜が泣きついていたため、肩口が湿っている具合を越して濡れていた。


「別にいいって。着替えればいいだけだし」


「ダメです! 風邪ひきます!」


「だから大丈夫だって。――それより咲桜?」


「う……はい」
 

咲桜はしゅんと小さくなった。


……反省しまくりのようだな。