咲桜は割かしさっぱりしているし、対して松生は依存度が強いようだから、松生の方がこういった感覚は持ちやすいのかと思っていた。


が、松生にその様子はなく、咲桜の方が抱いたか。


……理屈じゃない、か。


「私の友達なのに~」


「そうだよな」
 

ぽんぽん。頭を撫でる。


「私だって笑満すきなのに~」


「な」
 

とんとん。背中を軽く叩く。


「遙音先輩のばか~」


「まああいつは基本馬鹿だよな」
 

俺らの方に来ちゃうし。
 

咲桜の言葉とは意味は違うことは確実だけど、同意。


「うう~~~りゅーやくんの意味ちがう~」
 

……混乱していてもそこはわかるのか。
 

咲桜は俺のシャツの肩口を摑んで、額を押し当てた。


「……大丈夫だろ」