「は、遙音くん楽しそうだね」


「そりゃあもう。笑満ちゃんから言質取れたし?」


「彼女に言う言葉じゃないですよ。訂正してください」


「妬いてんのか? 王子サマ」
 

帰り道が何故か三人だった。笑満と遙音先輩と、分かれ道までの短い時間。


帰りがこのメンバーになったのは初めてだった。


「別に妬きませんけど」
 

私は憮然と返す。
 

遙音先輩が笑満に対して俄然余裕綽々なのは、どこか気に喰わない。


でも、そう思う理由もわからない。
 

話題ずらすか。


「先輩って、龍生さんとこにいたんでしたっけ?」