「――というわけで、二人が暴走することは目に見えてんで、何かしても特に心配しないでいっすよー」


「「………」」
 

珍しく日義が一人で旧館にやってきたと思ったらそんなことをのたまった。


椅子についている俺と、その前の机に腰かけていた遙音は何度か瞬く。


「暴走……」


「暴走シスターズとか、暴走ツインズとか呼ばれてましたからねー、小学校んとき。まあ、俺に関わったのも若干暴走入ってますし」


「「………」」
 

否定出来ない俺たちだった。


「―――てか」
 

遙音が口を開いた。


「その発想が可愛すぎる……!」
 

にやける顔を押さえてバシバシ机を叩いた。


「そんなことしなくたってすきでいるに決まってんじゃねーかー!」
 

バシバシバシッ
 

俺は半眼でそれを見る。手ぇ痛いだろう……そんな勢いだ。