捕まったハッカーの中でも高レベルな者は、出所の際迎えに来る者があると聞いたことがある。
その技術をほしがるものたちだ。
「………」
流夜くんの相棒も、もしかしてその類(たぐい)?
まさか、元犯罪者となればその存在は隠さずにはいられないだろう――。
私を警察側の世界に巻き込むことを流夜くんは嫌がっているように感じるから、更に教えてくれない理由の納得になる。
そういう可能性もなきにしは、かな……。
教えてくれない存在、ではなく、言えない存在、なのかもしれない。
「………うん」
そう思って納得しておこう。
流夜くんの相棒さん、勝手にそんな扱いしてごめんなさい。
心の中で謝っておいた。
今は自分の中でそう、カタをつけておいて、流夜くんや降渡さんから、話してもらえる自分になろう。
どんな人でも、流夜くんにとっては大事な存在なのだろうから。