そういえば流夜くんってお仕事の話、しないよね。
 

登校中にそんなことを考えた。
 

それに昨日の流夜くんの――嘘、と感じたもの――言葉が、どうして本当じゃないと感じたのだろう。
 

……もともと大っぴらに言っていいものとは思ってないけど……。


……在義父さんの仕事だって、言わないように育てられたし……。
 

それに類していて、流夜くんは警察の人間ではない。一般人という括りだ。


私には喋れないことも多いだろう。
 

それを無理に教えて、は、なんかやだなー。
 

それでも気になってしまう、流夜くんの『相棒』。
 

遙音先輩に訊けば教えてくれる? それはそれで申し訳ないというか……。
 

それこそ、降渡や吹雪から話してもらえるように――と言われたばかりだ。
 

なら降渡さんに訊く? ……向こうから話してくれるならまだしも……。
 

頭の中で堂々巡りをしている。


「あ」

 
ひとつ、思いついてしまった。