「今度休み空いてたら出かけないか?」


「え?」
 

問われて、反射的に隣に立つ流夜くんを見上げた。


ただいま二人で夕飯の準備中。


在義父さんは定時ではあがれないようなので、二人で先にいただくつもりだった。
 

在義父さんに言われて以来、夜に私が流夜くん宅へ向かうことは少なくなった。


かと言って全くないわけではないけど、私が学校から帰って流夜くんのとこへ行く、から、流夜くんが吹雪さんのところへ行く前に華取家に寄る、という形にいつの間にか変わっていた。
 

家族に認められているのはいいことだ。


「お出かけ?」


「そう。咲桜を連れて行きたいとこが出来たから」


「で……でー、と?」


「嫌か?」
 

ぶんぶん首を横に振った。