「……生まれて来てくれて、ありがとう」 「……―――」 くっと唇を噛んだ。 ああ、私、もう大丈夫だ。 自分の命を、ここにいていいのだと肯定出来る。 ――して、いいんだ。 「うっ……」 至近距離の流夜くんは、穏やかな表情をしている。 唇を噛みしめて目を潤ませて必死に泣かないようにしている変顔になっても。 ただ、楽しそうな顔をしている。 「りゅ、やくんこそ……ありがとぉ……」 「……うん。生きてきて、よかった」 「わ、たし、こそ……」 今まで命を、生きることを捨てないでいて、よかった。