朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】



「咲桜も、取りあえずは色んな本読むことかな。合わないと思ったら完読しなくても別の本に切り替えていいんだから」


「そうなの? 中途半端でいいの?」


「真実その本を網羅したいって思うだったら完読しないとだけど、まだ他の分野に意識向きそうだったら、その本は後回しにした方が早い。自分の領分を見つけるのが、な」


「……うん」


「でも咲桜だったら家政を極めるのも一つ手だと思うぞ。料理上手は周知だから。調理師とか管理栄養士とかもある」


「お料理かあ……」
 

顎に人差し指を当ててうなる。


一番得意だからこそ、あんまり考えたことがない進路だ。


「まだ一年生なんだ。色々やってみるといい」


「うん。だよね」
 

胸の前で拳を作る。うん。


「よし、じゃあ食べますか。色々作ったんだよー」
 

咲お誕生日バージョンの料理が保冷ボックスから並べられる。