「それでね、これからもいっぱい、色んなこと知りたいって思った。私家政以外はほんとダメだから……こう、流夜くんたちがやってるような、学問の世界? を、見てみたいって、思った」
きっとそれは、流夜くんの傍らに自分より年下の相棒の姿を見たことが、強く思うようになったきっかけだ。
年齢などいざ関係なく、学問の世界はひらかれている。
流夜はふっと笑った。
「いいと思うぞ。歴史以外にも数学生物物理言語法律心理――咲桜が気に入るものが早く見つかるといいな」
「うん。がんばる。……そう言えば、なんで流夜くん歴史の先生になったの?」
「犯罪史学が一番得意だったから」
「………」
得意の方向性が間違っている気がする……。
得意と言うか……特異?



