朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】



「? そうか。えらいな」
 

家事全般に意識を傾けて来ていて勉強があまり得意ではない私が、自分から勉強したこと自体珍しい。


「その……前に流夜くんが言ってた意味がわかりました」


「………」
 

流夜くんはこれだけでは意味がわからなかったようで、首を傾ける。


「その……昔は、えと……契りがあって、それで結婚って考えだったんだねっ」
 

声が裏返った。えーと、これ以上はどうぼかした言い方をしたらあああああ。


「まあ、平安時代とかは特にそうだよな」
 

流夜くんは、さすが歴史科の先生、大まかな意味をわかってくれたらしい。


「だから流夜くん、卒業までないって言ってたんだねっ」
 

まだ声が裏返っている。流夜くんはぽかんとした。


「咲桜? どういう解釈だ……?」