「ご、ごめんなさい~! なんか……なんでだろう~」
 

ぶわっと泣きだした私に、流夜くんも泡喰った。慌てたように抱き寄せられる。


それを降渡さんは面白そうに見ていた。


「なんか嫌だったか?」


「そ、そういうんじゃなくて~」
 

きっと、嬉しかったんだ。


「み、見つけて、もらうって、すごいこと、だって、やっと……わかったから……」
 

流夜くんに見つけられた。世界が変わるほど愛しい人。だから、今度は自分が。


「わたしが、誰かを見つけたって、もしほんとなら、すごい、嬉しいなって」
 

気づくことが出来た。流夜くんの大事な兄弟に。


「………」
 

ぽんぽんと柔らかく背中を叩く。


「……そうだな。すごいことだな」


「うん~」


「いや、すごいのは咲桜ちゃんだと思うけどね。りゅうにそんなことさせられるなんて」


「お前は黙ってろ」
 

冷えた一瞥を幼馴染にくれて、あやすように抱きしめてくる。
 

ただ、それだけで。ここにいていいと言ってもらえてるみたいだ。