「………」
「あれは世界がごちゃごちゃしてる。色んな世界が交錯した中に立ってるから、あいつに気づけても見つけられなかったら、関わるべきではない」
「……私、思いっきり関わっちゃったよ……? や、関わるほど親しくなったわけじゃないかもだけど」
そう言うと、流夜くんは驚いたように瞳を開いた。それから私の頭を撫でた。
「わっ?」
「あいつが誰かを姉だなんて言うの、初めて聞いたよ」
「え――」
「それに、咲桜は自分であいつを見つけた。だから、関わって大丈夫なんだと思う」
「………」
みつけた、の……? ………。
「咲桜⁉ なんで泣く⁉」



