流夜くんのお誕生日の準備に、龍生さんにはほぼ毎日お世話かけたので、お礼に行くことにした。


在義父さんに相談したら、「龍生も咲桜のご飯好きだから、差し入れでもしてやったら?」と言われたので、お弁当を作りました。


龍生さんには、先に行くことを電話してある。
 

午前を補講で終えて家に帰ってからお弁当を作って、少し距離があるからバスを使って《白》へ。
 

龍生さんには、「店に鍵かかってなきゃいつでも入って構わねーからよ」、とおゆるしをいただいている。
 

最寄りのバス停から歩いて、《白》の駐車場を通りかかったとき、だった。


「……―――――」
 

駐車場にいる長身の姿を見つけた。
 

声をかけるタイミングを計りながら近寄ったところで、足は地面に縫い付けられたように止まった。
 

女の子が、いた。