「咲桜は、教生の頃から知ってる生徒だ。もし神宮先生が咲桜に悪影響を与えるようなら、俺は咲桜の味方になる。そういう意味だ。……来桃とのこと、まさかばれているとは思わなかったから、似た者同士協力できれば、と思って話したんだけど……なんなんだあんた。少なくとも教師やってる人間じゃないよ」


「だろうな、教師ももうすぐ辞めるし。俺は、咲桜の父親の知り合いだっていう、それだけだ」


「――――」
 

咲桜の父親……華取在義氏? って確か―――


「え、警察官、なのか? 神宮先生……」
 

まさか潜入捜査官、とか? しかし神宮先生は首を横に振った。


「警官ではない。それ以上は推察無用。知れば多賀来桃まで巻き込むことになるぞ。戻れる位置にいることを勧める。それから――ここまでばれたらな、先生とか言わなくていいですよ」