朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】



あれ。知ってるの?


「華取在義さん、だっけ? すまない。知ってはいるけど、あまり関わりなかったから……」


「あ、そうでしたか」
 

父さんのこと知っていても、こういう反応の人もいるんだ。


……この前の絆さんのインパクトが強すぎて感覚がおかしくなっていたかも。


「では、流夜くんとはどういうお知り合いなんですか……?」
 

蒼さんが、丁寧に淹れてくれたコーヒーのカップを置いてくれる。


「中学んとき顔見知りになって、流夜たちもPクラスに入れたかったんだ。でもどうにも肯かなくてな」


「お前らの後輩なんかやってられるか。俺は天科サン関連の奴には関わりたくない」
 

流夜くん、結構バッサリだった。


「残念だな。俺らはお前らを巻き込む気しかない」
 

……あ、蒼さんはなかなか強気だった。


「天科さんって……天科グループの方ですか?」