いつになく強い眼差しを浮かべるクロウの瞳に、ジルは息を呑んだ。


「わかった。クロウが、そう言うなら……」


「よし、いい子だ」


ジルの頭を、クロウがクシャッとする。


ジルの葛藤を全て理解して受け止めてくれるような笑顔に、ジルの胸は小さく鼓動を刻む。


――ああ、やっぱり私はこの人が好きだ。


ジルは、改めてそう自覚した。そして、なんとも言えない切ない気持ちになったのだった。