───ガチャ
「お嬢様。お茶が入りました。」
「あぁ。ありがとう、アン。」
「っ…は、はい
お嬢様、明日は多分雪ですよ…」
「何を言っているの?アン。
今は夏よ?雪なんて降らないわ。」
どうしちゃったんだろ。アン。
冗談なんて普段いわないのに。
「あ、そう言えばお嬢様、来週弟様が来るのはご存知ですよね?」
「え!?ええ、もちろん」
あーお父様がそんな話してたようなしてなかったようなやっぱりしてなかったような…
「その弟様が魔力を発動したらしいですよ」
「え!?魔力!?」
「ええ、まだ幼いのに凄いですよねー」
そーいえばこの国魔法使える人もいたんだっけ…
いやそんなことよりさっきなにか思い出しかけたような…
「あー!!!!分かった!」
「え!?お嬢様!?」
「『アリスと魔法と不思議の国』だー!」
「!?!?」
そう、私が前世だーーーい好きだった少女漫画、『アリスと魔法と不思議の国』。
魔法国キャランに生まれた、魔力を持つ主人公アリス・ウェールズが様々なイケメンに愛される、いわゆる逆ハーものの漫画だったのだが、とにかくアリスが可愛いのだ。
あー、最終回まで読みたかった…
てか前世に残してきた私の少女漫画の数々をどうにかしてここに持ってくることはできないものか。←根っからの少女漫画好き
「まぁとにかく、魔法を持つものが増えてきて、最近ではキャランも賑やかになりましたよねー」
「…キャランって?」
「だからキャラン…我が国じゃないですか」
「んんんんんんん?」
「え…お嬢様、今日はどうされたのですか?」
ん?
キャランって言った?
この国キャラン?
魔法国で?
んんんん?どこかで聞いたぞー?
「ねぇアン?この国は15歳になったら魔力がある人間は学園に入らないといけないんでしたっけ?」
「?…そうですが。」
「で…その学園の名前って…」
「ラトストラ学園ですけど…何か?」
「この国の第一王子の名前は!」
「!?ええと…ロアン・クロフォード様です!」
「私の弟になる子の名前は!」
「シード・アルバーン様です!」
「………」
oh......
世界観から登場人物の名前までまほあり(魔法とアリスと不思議の国の略)と全くおなじじゃねーか…