ハートの女王は読者でいたい




やばっ…
それがわかった途端頭がクラクラしてきた。

あ、倒れるわこれ。


「キャー!アルトア様!?」


使用人の声を最後にして、私は意識を失った。





「ん…」

「お嬢様!よかった。目を覚ましたのですね!」

「…アン?」

「はい!アンでございます!」


めを覚まして目に入ったのは私の使用人のアン・キャンベラ。

心配かけてしまったな…


「お嬢様、大丈夫ですか?なにか悪いところは?」

「ええ、大丈夫よ。心配かけたわね。
ごめんなさい」

「……え」

「ん?」

「い、いえ!なんでも…」


なに?今の間。

まぁいいか。

「アン、悪いけどお茶をもらえないかしら。喉がかわいちゃって…」

「あ、はい!
今すぐ!」

「あ、そんなに急がなくてもいいからねー」


あー、いっちゃった。
どうしたんだろ。あんなに慌てて。

そうだ。
今はあんの心配をしている時じゃない。

そーだった。私前世は日本人だ。
彼氏なし友達なしでしかも16歳の若さにして交通事故で死んだという何とも哀れな高校生。


きっとあまりに哀れだから神様がこうして転生させてくれなのか。

そうだ。
きっとそうだ。
ありがとう神様。


ああ。図書館のおばさんの佐藤さんと図書館の本全部読み尽くすって約束したのに…

ごめんね、佐藤さん…


せめてあの本だけは読みたかったな。