8日の日は特別寒い日だった。
大雪の予報になる筈が
チラホラと降るだけの粉雪に、幾分ホッとした。

霊柩車に乗る母と、父。
走り出した車。

響く耳を覆うほどの、クラクションの音。

私の嫌いな音だ。

「大雪じゃなくて、よかったね。
お父さんーー。」


予報が外れた。
外れて良かった。
大雪なら、私は泣いて居たかも知れない。

だけどーーーー本当に涙する瞬間は、すぐそばにあった。

「ねえ……あれーーっ」


信じられないほどの大きな虹。

虹の橋が、霊柩車の真上にあるんだ。

外れた天気予報。
霊柩車の真上に、ある大きな虹に、、


涙せずには居られない。

「お父さん、おじいちゃんが迎えにきたよ」


涙、せずには居られない。