部屋から出たいと黎に懇願し続けていた神羅は、左胸の傷口の肉が盛り上がって穴が少し埋まるとようやく許可を得て部屋の外に出た。
だがすぐさま待ち構えていた玉藻の前に腕組をして仁王立ちされていて、その場に正座して座った神羅は毎日玉藻の前が傷の治療をしてくれたことを感謝して深々と頭を下げた。
「玉藻の前さん…ですね?命を助けて頂いてありがとうございました」
「いいえ、あなたの命を救ったのは黎様ですわ。わたくしは黎様とは主従の仲なのですから当然のことなのです」
「それでもありがとうございます。おかげさまでだいぶ良くなりました」
――神羅が起き上がれるようになったら文句のひとつでも言ってやろうと待ち構えた玉藻の前だったが、すっかり毒気を抜かれてわなわなしていると、黎に背後からぽんと肩を叩かれた。
「黎様…」
「お前のおかげだ。なんだかんだいいつつ献身的に介抱してくれたんだからな」
「黎様っ!」
がばっと抱き着いて来た玉藻の前の背中を撫でながら、神羅がじっとり睨んでいるのに気付いた黎は若干慌てながらべりっと玉藻の前を引き剥がしてにこっと笑った。
頬を赤らめながらそそくさとその場を去った玉藻の前が消えると、黎は部屋の前の縁側に座ってしなくてもいい言い訳を始めた。
「以前あれが殺生石という石に封じられたのを助けたのがきっかけで…」
「何も訊いてませんが」
「いや、目が訴えていた。言っておくが俺はおいそれとほいほい何人も女を抱いたりしない」
「抱いたらその後食うんでしょう?私は絶対嫌ですからね」
「…その件だが…」
――抱いた後は命尽きるまで傍に居てくれないだろうか?
そう話そうとした時、玄関から元気な声が聞こえた。
「ただいま戻りましたー!」
「澪さんですね、ふふ、相変わらず元気がよくて可愛い」
邪魔されてため息をついた黎は、神羅と共に夕暮れが近付いて集まり始めた仲間たちを眺めて神羅の後頭部をぺしっと叩いた。
「俺の仲間を紹介してやる」
そして神羅の妖に対しての考え方は、変わるようになる。
だがすぐさま待ち構えていた玉藻の前に腕組をして仁王立ちされていて、その場に正座して座った神羅は毎日玉藻の前が傷の治療をしてくれたことを感謝して深々と頭を下げた。
「玉藻の前さん…ですね?命を助けて頂いてありがとうございました」
「いいえ、あなたの命を救ったのは黎様ですわ。わたくしは黎様とは主従の仲なのですから当然のことなのです」
「それでもありがとうございます。おかげさまでだいぶ良くなりました」
――神羅が起き上がれるようになったら文句のひとつでも言ってやろうと待ち構えた玉藻の前だったが、すっかり毒気を抜かれてわなわなしていると、黎に背後からぽんと肩を叩かれた。
「黎様…」
「お前のおかげだ。なんだかんだいいつつ献身的に介抱してくれたんだからな」
「黎様っ!」
がばっと抱き着いて来た玉藻の前の背中を撫でながら、神羅がじっとり睨んでいるのに気付いた黎は若干慌てながらべりっと玉藻の前を引き剥がしてにこっと笑った。
頬を赤らめながらそそくさとその場を去った玉藻の前が消えると、黎は部屋の前の縁側に座ってしなくてもいい言い訳を始めた。
「以前あれが殺生石という石に封じられたのを助けたのがきっかけで…」
「何も訊いてませんが」
「いや、目が訴えていた。言っておくが俺はおいそれとほいほい何人も女を抱いたりしない」
「抱いたらその後食うんでしょう?私は絶対嫌ですからね」
「…その件だが…」
――抱いた後は命尽きるまで傍に居てくれないだろうか?
そう話そうとした時、玄関から元気な声が聞こえた。
「ただいま戻りましたー!」
「澪さんですね、ふふ、相変わらず元気がよくて可愛い」
邪魔されてため息をついた黎は、神羅と共に夕暮れが近付いて集まり始めた仲間たちを眺めて神羅の後頭部をぺしっと叩いた。
「俺の仲間を紹介してやる」
そして神羅の妖に対しての考え方は、変わるようになる。

