傷口を見ることができず、神羅はこの時はじめて着せられている浴衣の上半身が裸であることに気付き、豊満な胸を両手で隠して痛みに顔をしかめた。
「み…見ないで!」
「もうじっくり見た。それに触ったこともある。今更気にするな」
「助平!」
「ちなみに浴衣を着替えさせたのも、お前に口移しで水分を与えたのも俺だからな。感謝しろ」
相変わらずの横柄な態度に神羅は顔を真っ赤にしながらも、どうしても傷口が見てみたくて黎に命じた。
「目を閉じていて」
「俺に命令するな。もう何度も見たと言って…」
「それでも!駄目です!」
ふんと鼻を鳴らした黎が目を閉じると、神羅は包帯を解いて穴の開いた傷口を見て驚きのあまり絶句した。
僅かに心臓を外れてはいるが――もう少し場所がずれていたら、死んでいたかもしれない。
黎に想いを抱いたまま、死んでいたかもしれない。
それはあまりにも浮かばれない、と思った。
「幸運だったのですね…」
「そうだな、心臓に受けていたら死んでいた。処置は全て玉藻がしてくれたから後で礼を言っておけ」
黎様、と障子の外から声がかかり、黎が障子を開けると、粥の入った碗を持った伊能がそれを黎に手渡して去って行った。
黎はそれを神羅に持たせて顎で食えと指図した。
「私のために…?」
「病人には粥が一番らしい。まずはそれを食ってここで療養しろ」
「ああそうでした…ここは何処…」
「ここはお前たちが浮浪町と呼んで蔑んでいる場所だ。俺の拠点だから悪路王はここには来ないだろう。安心しろ」
浴衣をきちんと着込んだ神羅が職務が滞ると言いかけたのを黎が言葉を被せて封じた。
「そんなのは関白のあの男にやらせろ。お前はここから出さない」
――守りたい、と素直に打ち明けたいのにどうしてもひねくれた表現をしてしまう。
黎は自身に悪態をつきながら、粥を口に運んでいる神羅の傍から離れなかった。
「み…見ないで!」
「もうじっくり見た。それに触ったこともある。今更気にするな」
「助平!」
「ちなみに浴衣を着替えさせたのも、お前に口移しで水分を与えたのも俺だからな。感謝しろ」
相変わらずの横柄な態度に神羅は顔を真っ赤にしながらも、どうしても傷口が見てみたくて黎に命じた。
「目を閉じていて」
「俺に命令するな。もう何度も見たと言って…」
「それでも!駄目です!」
ふんと鼻を鳴らした黎が目を閉じると、神羅は包帯を解いて穴の開いた傷口を見て驚きのあまり絶句した。
僅かに心臓を外れてはいるが――もう少し場所がずれていたら、死んでいたかもしれない。
黎に想いを抱いたまま、死んでいたかもしれない。
それはあまりにも浮かばれない、と思った。
「幸運だったのですね…」
「そうだな、心臓に受けていたら死んでいた。処置は全て玉藻がしてくれたから後で礼を言っておけ」
黎様、と障子の外から声がかかり、黎が障子を開けると、粥の入った碗を持った伊能がそれを黎に手渡して去って行った。
黎はそれを神羅に持たせて顎で食えと指図した。
「私のために…?」
「病人には粥が一番らしい。まずはそれを食ってここで療養しろ」
「ああそうでした…ここは何処…」
「ここはお前たちが浮浪町と呼んで蔑んでいる場所だ。俺の拠点だから悪路王はここには来ないだろう。安心しろ」
浴衣をきちんと着込んだ神羅が職務が滞ると言いかけたのを黎が言葉を被せて封じた。
「そんなのは関白のあの男にやらせろ。お前はここから出さない」
――守りたい、と素直に打ち明けたいのにどうしてもひねくれた表現をしてしまう。
黎は自身に悪態をつきながら、粥を口に運んでいる神羅の傍から離れなかった。

