隼人『これから救援出していい?』


隼人『いつも何時ごろ寝るの?』


隼人『未織ちゃん!間違えてグループの方に返事してるよ!笑』



友達から聞いた噂は本当だったらしい。


確かに、最近、隼人くんからのラインがやたら増えた。



「未織ちゃん!」



放課後。教室を出た瞬間、隼人くんに声をかけられた。



「なに?」


「あのさ、彼氏と上手くいってないって本当?」



早足で廊下を進むものの、ぴったり隣をついてこられる。



「別に。そんなことないよ」


「やっぱ遠距離って大変? 寂しい?」



手の甲同士がこつんとぶつかった。


わざとかたまたまかは分からない。



隼人くん話すとき顔近いし、よく触れてくるし、なんだか距離感合わないんだよな。



「まあ寂しいっちゃ寂しいけど」


「だったら今度の花火大会、一緒に行こうよ」


「ごめん無理。次の日光くんのライブだからたぶん東京行くし」


「いいじゃん。俺とデートしよーよ」


「チャラっ」



花火大会は期末テスト後の3連休初日に行われる。


光くんの勝負ライブの前日。


友達みんなと行くならまだしも、隼人くんと2人きりなら迷わず東京行きを選ぶ。