fairy3 空の物語 中

『アガットってば! 聞いてるの?!』

『……ああ、聞こえてるさ』

『だったら早くシアンを回収して来てよ! 時間がないんだから』

『そうだな』

俺の後ろでは既にイェーナとバーントが扉を準備してくれている。

そんな二人の方を振り返る事なく俺はシアンを見下ろす。

するとシアンの体をある一つの手が、がっしりと掴んでいる事に気が付いた。

『あのままだと、あいつ……』

深淵の方へ連れて行かれると思った。

ここであいつを連れて行かれたら後々厄介な事になってしまう。

最悪、戻って来る事も難しいか……。

『……イェーナ。アク様にしばらく戻らないと伝えてくれ』

『えっ?!』

『おい、アガット?』

二人の返答を聞かず俺はシアンの元へ飛んで行く。