fairy3 空の物語 中

【シアン】

地面が波打ち立つことが難しくなった私は尻もちをついた。

『いたっ……』

小さく声が漏れ立ち上がろうとするが体に力が入らなかった。

扉の奥から黒い者たちがこちらへと徐々に近づいて来ている。

その手はまるで手招きをするように、こちら側へと私を誘っているように見えた。

きっとそう見えるのは私だけなのだろう。

扉に向かって走って行った奇跡は優空からイェーナを引き離した後、踵を返してこちらに向かって来ている。

その姿を目にした時――

「シアン!」

『っ!」

私の中で雪菜の声が響いた。

その声は微かに聞こえとても小さな物だった。

それでも私は確かに聞き取る事が出来た。

雪菜が私の名前を呼んだ事に。