fairy3 空の物語 中

アクとヴァニティの仲間であるこの人が、そんな感情を抱くなんて信じられない。

この人は私から均衡の錠前を取り出そうとしているのに、目の前にいるアガットがソレイユの姿に見えた気がした。

『だが今はそんなものどうでもいい』

『っ!』

アガットは私との距離を縮めると胸ぐらを掴んできた。

『ぐぅっ……』

そしてそのまま私の体を地面へと押し倒す。

『今の俺はヴァニティ様の願いを叶えるためだけに動いている。それ以外のことは全て不必要だ』

顔をぐっと近づけてきたアガットは鋭い目付きでそう言い放った。

その目を見た時、私の体は恐怖心で襲われた。

この男は任務の為なら平気で人を殺すことが出来ると、そう確信したからだ。

『ここまでだな。シアン』

アガットが右手を構えた時──

地面から何かが伝わって来るのを感じた。

『……なんだ?』

アガットも異変に気がついたのか辺りに視線を移す。