fairy3 空の物語 中

『絶望したか?』

『っ!』

聞き覚えのある声が耳に届き恐る恐るそちらへと目を向けた。

そこには一刀の剣を構える男アガットが立っていた。

顔立ち声音はソレイユにとても似ている。

でもこの人はソレイユじゃない。

ソレイユは人を殺す目なんてしない。

『……私の心でも読んだの?』

何故かアガットの声だけが耳に届いた。

『読まずとも分かる。今のお前の顔は絶望そのものだからな』

『……っ!』

私は拳に力を込める。

『……あなたに何が分かるっていうの?! 目の前で大切な人が居なくなった気持ちが、大切な人を失った気持ちが分かるっていうの?!』

『そういった感情は抱いたことがない。……いや抱いたことはあるのかもしれないな』

『えっ……』

アガットは目を細めると自分の手をひらを見つめた。

『もしかしたらこの俺でも誰かを守りたかったのかもしれない。誰かを幸せにしたかったのかもしれない』

その言葉に私は驚いた。