目を覚ますとそこには知らない世界が広がっていた。

俺たちを見下ろしていた空もなければ地や海すら存在していない。

あるのは真っ暗な闇の色だけ。

なぜ俺はこんなところに立っているんだ?

俺はいったい誰だ?

『ーーっ!』

『?』

一瞬だったが誰かの声が聞こえた気がした。

その声は聞き覚えのある声のはずなのに、ずっと近くで聞いてきたはずなのに今はその声が遠くに感じる。

でもその声を聞くと心が落ち着くのを感じた。

そしてふと思う。

あの声の主は俺にとって忘れちゃいけない存在だったんじゃないのか?

大事な存在だったんじゃないのか?

そう思って思い出そうとする度に頭にノイズが走った。

このノイズはいったい何回目だ?