「お似合いか……そう簡単にはいかないんだけどな」

カレルは自嘲する様に笑い呟いた。


ノーラが見抜いている通り、自分はシェールを気に入っている。

一目惚れ。いや、正確に言えば、二度目に顔を合わせた時、特別な感情を持った。


シェールと話している時は、身構えなくていい。安心出来るし自然と笑う事が出来る。

彼女も同じように感じてくれているのが伝わって来る。

頬を染めてカレルを見つめる瞳には好意が滲んでいるし、声をかけ振り返った時の顔は幸せそうな笑顔で、そんな彼女を見ていると自分も幸福を感じるのだ。

けれど、シェールも自分もお互い秘密にしている事がある。

そんなふたりに寄り添う事が出来る日が来るのだろうか。

隠し事が無くなった時、今までの関係で居られるのか。

絶対に変わらないと言えるだけの自信が、今のカレルにはない。