「よー、じんぐー」


「うっせえ」


「わあ、素が全開だなー」
 

鬱屈から思いっきり睨んでやったが、遙音は余裕だ。


「せーっかく傷心の神宮にいいもん持って来てやったのに」


「あ?」


「これ。なーんだ」


「……、何でお前が咲桜の持ってる!」
 

ガタンと椅子を蹴倒す勢いで立ち上がった。


遙音はくすくすと笑いが収められないでいる。


「笑満ちゃんたちがメシ食ってるとこに混ざってきた。したら咲桜がお前の分持ってるって言うから配達してやったんだけど」


「……一年の中に一人で混ざるってお前」


「笑満ちゃんがいるから俺一人じゃねーよ?」
 

いらねーの? 意地悪気に言う遙音。


黙って手を出した。