小さな頃は、いつも遊んでいるご近所の友達だった。


中でも、よく懐いてくれて俺が行く場所にはいつもいた。


事件があって、でも笑満ちゃんだけは俺に対する態度が変わらなかった。


離れてしまうことになって、どれだけ傍にいてくれる存在の重さを知ったことか。


出来るなら笑満ちゃんとは繋がっていたかったけど、自分の置かれた状況もわかっていた。


笑満ちゃんに迷惑をかけることになる。それは嫌だった。


黙っていなくなって、高校に入って再び出逢えた。


神宮や二宮さんたちに庇護されていた身として、今、自分の状況はあの頃とは全然違う。


……すきな子にだって、そうと言えない。


笑満ちゃんと自分の関係、神宮と咲桜の関係は違うけれど、事件に巻き込まれ、家族を亡くしている点では一緒だ。


……神宮の強さが羨ましい。


華取さんに睨まれたって、咲桜の恋人でいることが出来ている。


――だからこそ、憧れは強くなる。
 

すきな子にすきと、言うことが出来ない……。