朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「あ、だよね。一応りゅうからそこは聞いてるんだけど、さっきの寝言って何?」
 

降渡さんが食いついてきた。


「あれは――


「そもそもりゅう、ちゃんと寝ること出来てんの?」
 

へ? 


流夜くんのそれを聞いたのは抱き付かれが前提にあるのでどう説明しようか迷っていると、降渡さんが身を乗り出してきた。


「どういう意味ですか?」


「あいつ、超不眠症じゃん」


「そうなんですかっ?」
 

私がいると――私に抱き付くとよく眠っている流夜くんなので、そんなこと気づかなかった。


降渡さんが吹雪に目配せをした。


話してやれよ、という瞳だった。