「あいつの学生時代? んー、いっつも無表情で怒ってるのかなーって、怖い感じ。笑ったとこなんて一度も見たことなかったな」
だから今のあいつが本物か信じらんなくなるときあんだよ……。
先輩は哀愁を帯びながら視線を遠くへやった。
え、なんかごめんなさい。心の中で謝った。
「それは……今と全然違うね」
笑満は、私に接する流夜くんと神宮先生を思い出しているのか、うわ言のように呟いた。
「高校時代って、あいつが一番ピリピリしてた時期なんだって」
「? やなことでもあったんですか?」
私が訊くと、先輩は唸った。
頼はまだ固まっている。……本気で寝てるんだな。



