朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「あいつの学生時代? んー、いっつも無表情で怒ってるのかなーって、怖い感じ。笑ったとこなんて一度も見たことなかったな」
 

だから今のあいつが本物か信じらんなくなるときあんだよ……。


先輩は哀愁を帯びながら視線を遠くへやった。


え、なんかごめんなさい。心の中で謝った。


「それは……今と全然違うね」
 

笑満は、私に接する流夜くんと神宮先生を思い出しているのか、うわ言のように呟いた。


「高校時代って、あいつが一番ピリピリしてた時期なんだって」


「? やなことでもあったんですか?」
 

私が訊くと、先輩は唸った。


頼はまだ固まっている。……本気で寝てるんだな。