朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「だ、だってそしたら頼と二人になっちゃうよ? 流夜くん知ったら怒るよ?」
 

きっと絶対! と、笑満は同意を求めるように先輩に目線をやった。


……でもさ、先輩って結構流夜くんのことからかうの好きみたいだから、からかって終わりじゃないかな。


そもそも、先輩は笑満と二人きりがいいんじゃないのかな。


……先輩のもにょもにょした目がそう言っている。


「あー、だな。この前も淋しさ爆発させてたし。咲桜がよければ俺がこっちに入りたいんだけど」
 

そう言うから、「そうですか?」と肯いておいた。


先輩から逢いに来てくれたっていう、これが重要だと思うんだよね。


「ね、遙音くんって流夜くんの高校時代とか知ってるんでしょ? どんなだったの?」
 

私に封をされた包みをまた開いて、笑満が言い出した。


先輩はベンチの、笑満のすぐ近くに座る。


手にした袋にパンが詰め込まれていた。

 
笑満が振った話は、これこそ私へのお返しだろう。


……どちらの意味のお返しかは、推測だけだけど。