けどさすがにそう言い張るのははばかられて――だって笑満が巻き込まれている話だ――その事実は口にしなかった。
「あと、私が二股なんてありえませんので」
「あ、そうだよな。何気に咲桜も神――あいつ大すきだし」
「何気じゃなくて本当に大すきですよ」
その言われ方も不満で言い返すと、先輩は「わりーわりー」と笑った。
「どうしたんですか? ここ一年校舎ですよ?」
私たちが昼食によく使う中庭は一年校舎から近い場所なので、上級生はほとんど見ない。
先輩は一個上の二年生。
「うん、笑満ちゃんと――その、一緒に昼飯とか思ったんだけど、もう食い終ってるよね」
あはは、とから笑いする遙音先輩。
私が笑満を見ると、瞬時にその頬が染まった。
「いえ――まだ食べ終わってないのでどうぞ笑満を持って行ってください」
「ちょ! 咲桜何言ってんの!」



