『うん。わかった。流夜くんがうちに来てくれるってことでいいの?』


「ああ。少し遅くなるかもしれないけど、待っててくれるか?」


『うんっ』


「あと、電話もしばらく出来なくなる。あいつのことだからどこから盗聴電波飛ばしてるかわからないから」


『……宮寺先生って、何もの? 警察の敵になるような人?』
 

咲桜の声が、胡乱に平坦になった。


「俺を一方的に敵視してるだけだ。在義さんと敵対はしない」
 

……この説明でわかってくれるだろうか。


咲桜は――在義さんの娘は、肯いた。


『そう――じゃあ、待ってるね。気を付けてきてね』


「……ありがとう」